されど、愛しい

輝く瞳に食らいつく日々

恋から愛に変わるとき―KinKi Kidsを歌詞分析―

こちらのブログを拝見して以来、

microchappy.hatenablog.com

 KinKi Kidsだったらどうなるんだろう?やっぱり暗いの?重いの?実は意外とアイドルっぽい言葉が並んでたりするの?と気になって仕方なかったので、参照させていただいたブログの手法を参考に挑戦してみました。 

対象楽曲

  • 全224曲(KinKi Kids名義)*1
  • ソロ曲は除く(例・「僕は思う」「ひとりじゃない」)
  • セルフカバー曲・アレンジ曲は除く

楽曲の年代分け

時代によって、歌詞に変化があるかも同時に調べてみました。KinKiファンとKinKiの音楽の話をしていると「どのアルバム好き?*2」とアルバム単位で話すことが多いため、今回はアルバム別に分けて抽出しました。

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全224曲出現回数TOP150

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カラーリング方法

  1. 水色:「君・僕・二人」等の一人称・二人称の名詞
  2. :「愛」を含む言葉
  3. :「恋」「好き」「想う」等、恋の感情を意味する言葉
  4. :独断と偏見で決めた、運命的(「世界」「生まれる」)・暗い(「涙」「嘘」等)・重ため(「生きる」「永遠」等)属性の言葉

君と僕とふたりの歌

「君」と「僕」が出現順位の1・2番を占めました。これは恋愛の歌を多く歌っていることもあり、予想通りの結果といえるでしょう。ちなみに、KinKiの曲の第一人称は女性詞を除き「僕」でほぼ統一されてます。例外的に「俺」「オレ」を使った曲はなんと、やめないでPUREと、KinKiのやる気まんまんソングの比較的初期に歌った、2曲だけでした。

さて、ここまでは想定通りだったのですが、「二人」という歌詞がTop10入りしたのに唸りました。歌詞で使われる「二人」とは、それぞれの曲で描かれる曲の主人公である「僕」と僕の恋人(元恋人含む)そして時には友人である「君」の二人を意味しています。ただ、それを歌うKinKiもまた二人組です。「二人」=KinKiを意味しているのでは?という上手な使い方をしている曲も多々あり*3、KinKiファンとしては堪らないキーワードになっているのではないでしょうか?

恋から愛に変わるとき

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 全てのアルバムを通して、「愛」「恋」「想い」という恋愛に関する言葉が高い順位を占めました。これは恋愛の曲を多く歌っているためだと容易に想像がつきますが、各年代にどんな特徴があるのか見てみました。

  1. A album時代は「恋」>「愛」1997年7月のデビュー前である、16歳~18歳当時に歌っていた曲で構成されているA album。繊細な揺れ動く少年の恋を描いた曲(「せつない恋にきづいて*4」「Kissからはじまるミステリー」が多い。デビュー前からすでに、ポップで弾けるような恋心ではなく、切なく重めなじとっとした恋心を歌っていたのは非常に興味深いです。
  2. B album ~Φ まで重くなっていく「愛」A album以降は、一貫して「愛」が「恋」を出現回数で上回っていきますが、Φ albumまで、「愛」と「恋」がTOP30に並ぶ時代が続きます。デビュー曲「硝子の少年」そして次曲の「愛されるより愛したい」が共に大ヒット。この流れの中で、応援歌ではなく恋愛を歌うアイドルとしての道が出来上がっていきます。ふたりの音楽性・表現性も広がりを見せ、様々なタイプの恋愛を歌うようになっていきます。ただし、ワンナイトラブや、爽やかな片思いを描いた曲は極端に少なく、誠実で一途な(重すぎるくらいの)恋愛や未練がましいくらいの失恋を描いた曲が多いのは、マイナーで哀愁があるふたりの声質が活きる曲を選んだ結果といえるのではないでしょうか?
  3. J album~ そして「愛」へ J album以降はなんと「恋」がTOP30からランク外へ。Jの前作であるΦ albumで剛さん作詞・光一さん作曲の「銀色暗号」 で、愛へと昇る...愛へと成る。と歌いあげていた後から、「愛」への一本化が進んで行ったのは偶然とは言え、なかなか面白い事実です。 また、愛の種類も異性への恋愛だけではなく、家族愛(「Family ~ひとつになること」「僕が生まれた日」等)や生まれてくる子供への愛(「WELCOME」)、人類愛(「me~地球の色」)と多様な愛を歌うようになっていっています。18歳でデビューしたKinKiも今は36歳、ちょうどデビュー時の2倍の年齢です。人生経験を積み、恋よりも愛が似合う年齢になってきたのも、この変化の要因でしょうね。

最後に

今回の集計は、素人の独断と偏見による私見ですので、間違いだらけかと思いますが、ここまで読んで頂きありがとうございます。是非、他の方にも分析して欲しい!!願望が強すぎるので、最後に全アルバム別のTOP150を貼っておきますね。

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*1:5×9=63は、歌詞ネットに記載がなかったため含まれていません。

*2:ちなみに、A/G/K/Mアルバムが好きです。私は。

*3:「僕らの未来」「危険な関係」「ライバル」など

*4:剛さんが大好きな一曲。それを聞いた光一さんが「剛くんっぽい曲だよね」とコメントしていた。なにが、どう「剛くんっぽい」のか、色々聞いてみたいですけど、たしかに「っぽい」曲だと思います。